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トミエニッキ

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南瓜とマヨネーズ

私の家にはマンガがほぼない。
マンガって読むのが一回限りな気がして、小さい頃からあまり読まなかった。
本の貸し借りも好きじゃなくて、読む機会もほとんどなかった。
本の貸し借りは
“自分の思考とかそこから得た感想・感情を持って行かれそう”で好きじゃない。
持っている感情を誰かに譲りたくないし、借りて得た感情をくっつけた本を返すのがイヤ。
よく“理解できない”と言われる私の変なこだわり。

でも、そんな私に“いいからマンガを読みなさい。これ貸してあげるから本も読みなさい”と
無理やり2冊持たせる人が現れた。
“そんなに薦めるなら買うから結構です”と断るすきを与えられることなく持たされた。

その中の一冊が“南瓜とマヨネーズ”。

マンガと言うよりまるで短編映画のよう。
淡々と進むストーリーは、私たちの日常そのもので、
登場人物それぞれに感情移入してしまう。
“分かる、分かる”のオンパレード。

忘れられない好きな人がいる気持ちも、
好きな人のために何でもやっちゃうエネルギーも、
売れる売れないなんてくだらないこという業界も、
それを我慢すれば良いって知っていながら曲げられない純粋さも、
友達を傷つけるやつを許せない気持ちも、
好きな人がずっとずっと一緒にいてくれるっていう絶対的な確信が欲しい気持ちも
自分がアドバイスしたところでどうにもならないって分かってても
相談にのって口を出しちゃう友達の気持ちも、
何をもってして“好き”というのか分からなくなる感じも…。

こんなに心揺さぶられるとは思ってなかったから、何だかいい意味でショック。

落ち着きを取り戻したところでもう一度考えて思ったこと。
“でも誰も悪くないなぁ”ってこと。
自分に正直に人生選択して、その結果がああいう形になったんだって。
かといって、自己中心的なだけじゃなくて
周りへの優しさも持ち合わせてるから、苦しいんだとも。
胸が苦しくて仕方ない。
しばらく胸の痛みは止まらなかった。

これを読んで胸が痛くならないようなら、その人は優しさが足りないのかもしれない。
人から優しくされないのは、自分が優しくないから。
優しさを持っていますか。
正しく生きていますか。
大好きな人を大切にしていますか。
いろんな自分を考えさせられた。

正直凹んだ。
by tomienikki | 2007-09-03 11:05
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シンガーソングライター須永トミエによる気まぐれ日記。


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